執筆者: クレシア編集部

くらしのヒント

なぜごみの分別が必要? ごみ問題の現状と資源を守るリサイクルの基本

# 廃棄物 # プラスチック削減 # CO2削減 # 資源循環 # リサイクル
親子がごみの分別を考える様子

毎日の暮らしのなかで、当たり前のように行っている家庭のごみ出し。
「分別して指定の日に出しているから大丈夫」と思っていても、なぜ細かく分ける必要があるのかまで意識する機会は意外と少ないかもしれません。

実は、私たちが分別してごみを出すことは、限りある資源をもう一度活用するという環境や資源の未来に深く関わっているのです。分別された紙やプラスチック、びん、缶は、新しい製品の原料として再利用される一方で、正しく分別されなければ焼却や埋め立て処分にされてしまうこともあります。つまり、限りある資源を有効活用し、ごみを減らしていくために欠かせないのが「分別」なのです。

この記事では、日本のごみ問題の現状を整理しながら、家庭ごみの分別がなぜ資源循環につながるのかを解説します。日々のごみ出しで迷いやすい疑問にもお答えします。

日本の「ごみ問題」、分別が支える未来の資源

正しく分別して「資源」として次のサイクルへ繋いでいくために、まずは、私たちの身近なごみの現状と、分別の持つ大切な意味から見ていきましょう。

実はごみの約7割が家庭からのごみ

普段の暮らしでは、ごみを指定の場所に出せば、あとは自治体が処理してくれますが、その後どのように処理されているかを知る機会は多くありません。
環境省のデータ※1によると、日本全国で1年間に出るごみの量は約3,811万トン。

ここで注目したいのが、その内訳です。実はごみ全体の約69%(約2,637万トン)が、私たちの日々の家庭から出ているごみ。 企業の事業系ごみ(1,175万トン)以上に、私たちの暮らしから出るごみが大きな割合を占めているのです。なお、1人1日あたりの家庭ごみの排出量は約466グラム、年間で換算すると約170kgもの家庭ごみを出している計算になります。

ごみを燃やした後の灰を埋め立てる場所も限界に近づいており、全国平均ではあと20年ほどで満杯になると言われています※2。ごみを減らすことは環境保全だけでなく、自治体の処理費用など私たちが払う税金や暮らしの負担を抑えることにも直結しています。

※1 出典: 一般廃棄物処理事業実態調査の結果(令和6年度)|環境省
※2 出典:産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況(令和5年度実績等)について|環境省

私たちが日常出している家庭ごみとは

家庭から出るごみは、大きく次のような種類に分けられます。

分類種類(例)
燃えるごみ生ごみ、紙くず、木くずなど
燃えないごみ陶器類、小型金属類など
資源ごみペットボトル・プラスチック・びん・缶・ダンボール・古紙など
粗大ごみ家具や大型の家電など
有害ごみ電池、蛍光管など取り扱いに注意が必要なもの
※分類方法や名称は自治体によって異なります

このうち、もっとも身近なのが生ごみや紙くずなどの燃えるごみですが、本来であれば資源として再利用できるものが混ざっていることも少なくありません。

燃えるごみの中に、眠っている資源はありませんか?

封筒や紙袋、お菓子の箱、ティッシュの空き箱、容器、包装類など、きれいな状態で正しく分別すれば再生紙や再生プラスチックなどの原料としてリサイクルできる場合があります。
しかし、燃えるごみとして出してしまえば、その多くは焼却処理されてしまいます。

日頃何気なく捨てているもののなかに資源として活用できるものがないかと少し見直すだけでも、ごみの減量だけでなく、限りある資源を有効活用することにつながります。

ごみ分別が地球と私たちの暮らしを守る理由

ごみの分別は、資源の有効活用だけにとどまりません。
ごみを焼却するとCO2が排出され、焼却量が増えるほど環境への負荷も大きくなります。また、ポイ捨てされたり、屋外で適切に管理されずに放置されたプラスチックごみは、河川や海へ流れ出し、海洋汚染や生態系への影響を引き起こすこともあります。

一方で、資源として再利用できれば、新たな木材や石油、鉱物資源を使用する量を減らし、製造時のエネルギー削減にもつながります。ごみの分別は少し手間に感じますが、環境負荷を減らすために誰もが始められる環境保全活動の一つと言えるでしょう。

私たちの身の回りのものは、すべて資源からできている

紙は木から、プラスチックは石油から、金属製品は鉱物資源からつくられています。使い終えたものを単なる「ごみ」として捨てるのか、「資源」として次のサイクルにつなげるのか。その選択の積み重ねが、未来に向けた持続可能な社会づくりにつながります。

使い終えたからといって、決してすべての価値がなくなるわけではないことを知っておきたいものです。

「捨てる」から「活かす」へ。資源として生まれ変われる状態で送り出そう

リサイクルは、特別なことではありません。家庭から出る紙、プラスチック、びん、缶などを正しく分けて出すことも、資源循環の一部です。
正しく分別されたごみは、リサイクル工場で選別・加工され、新しい製品の原料やエネルギーとして活用されることがあります。逆に、汚れたものや異なる素材が混ざっていると、リサイクルの妨げになることもあります。

分別は、資源ごみに出す量を増やせばよいわけではありません。大切なのは、資源として活用できる状態で出すことです。

ごみ収集車とごみの分別のイメージ

家庭から出る、主なリサイクル資源は?

家庭から排出される代表的なリサイクル資源には、次のようなものがあります。

分類種類(例)
紙類新聞、雑誌、ダンボール、飲料用紙パック、紙袋・お菓子の箱・ティッシュの空き箱・トイレットペーパーの芯などの雑紙
プラスチック類     容器包装プラスチック(リサイクルマークのついた食品トレーやボトルなど)
ガラス類びん類(無色・茶色・その他の色で分別されることが多い)
金属類缶類、鉄くずなど
布類古着、タオルなど
※分類方法や名称は自治体によって異なります

正しく分別された資源は、再生紙や再生プラスチックなどの原料として活用され、新たな製品、エネルギーとして生まれ変わります。

ただし、回収ルールは自治体によって異なるため、地域の分別ルールを確認することが重要です。判断に迷ったときは、自治体のホームページやごみ分別アプリ、配布されている分別表等を確認しましょう。

「紙=資源」とは限らない? リサイクルできないものもある

リサイクルを進めるうえで注意したいのが、紙やプラスチックのように見えても、リサイクルに向かないものがあるという点です。特に古紙のリサイクルでは、再生紙の品質を下げたり、機械トラブルの原因になったりするものもあり、それらを「禁忌品(きんきひん)」と呼びます。

主な禁忌品には、下記のようなものがあり、多くの自治体では燃えるごみとして扱われることが多いです。
「紙だから資源」「プラスチックだから資源」と一律に判断せず、「資源として再利用できる状態で出すこと」が重要です。

禁忌品種類(例)
感熱紙、カーボン紙、ノーカーボン紙   レシートや宅配便の伝票など
圧着はがき公共料金の請求書など
カバンや靴などの詰め物カバンや靴の緩衝材
防水加工された紙紙コップ、紙皿、紙製のカップ麺容器など
汚れや臭いが付着した紙ピザ、ケーキなどの食品を直接包装した容器、石鹸の包装箱
※ 出典:公益財団法人古紙再生促進センターの情報を元に作成

禁忌品から新しい価値へ。技術の工夫で広がる資源の可能性

禁忌品は「今の技術・仕組みでは資源として出すのに適さないもの」です。しかし近年、これまでリサイクルが難しいとされてきたものを、別の形で資源として活用しようとする取り組みも進められています。

たとえば、日本製紙グループの日本紙通商では、使用済みの紙コップ・紙パックを分別回収し、専用の洗浄・リサイクル設備で紙繊維とプラスチックを分離して、高品質なリサイクルパルプとして再生する仕組みを構築しています。

生まれ変わったパルプは、ダンボールや板紙だけでなく、トイレットペーパーといった衛生用品の原料としても活用されています。

また、感熱紙(レシートなど)についても、株式会社ワークスタジオが開発した「nunock paper by PANECO」のように、古紙としてではなくインテリアブロックへとアップサイクルする技術が生まれています。

かつては「リサイクルが難しい」とされていたものでも、技術や仕組みの工夫によって、再び資源として活かせる可能性が広がっています。だからこそ私たち生活者も、まずは地域のルールに沿って正しく分別し、次に生まれ変わる「資源」として循環の輪へ繋いでいくことが大切です。

自分の住む自治体のごみ出しルールを確認しよう

ごみの分別ルールは、自治体によって処理施設や対応できるリサイクル設備が異なるため、同じものでも地域によって分類が変わることがあります。

大切なのは、「一般的にはこうだ」と思い込まず、自分が住んでいる自治体のルールを確認することです。ごみ出しカレンダーや分別表、自治体の公式サイト、分別アプリなどを活用すれば、迷いやすいものも確認しやすくなります。

【コラム】13種類・40品目以上に分別する町。徳島県上勝町ゼロ・ウェイストセンターの挑戦

分別が資源循環につながることを考えるうえで、よく知られている事例の一つが徳島県上勝町(かみかつちょう)です。上勝町では、ごみをできるだけ燃やさず、埋め立てず、資源として活用する「ゼロ・ウェイスト」の取り組みが進められてきました。
実は、上勝町には、ごみを収集して回る「ごみ収集車」が走っていません。町民が各自で、町内唯一の「ゴミステーション」までごみを持ち込む仕組みになっているのです。そこでは、町民自らが紙・プラスチック・金属・ガラスなど、なんと13種類45分別(2026年時点)にまで細かく分別します。その結果、ごみステーションに持ち込まれたもののうち約8割が資源として再生利用されているそうです。
「そんなに細かく分けるのは大変そう」と感じるかもしれません。しかし、分別を徹底すればするほど、燃やす・埋めるしかないごみを着実に減らすことができます。同じように細かく分別することは難しいかもしれませんが、「これは本当に燃えるごみでいいのかな」と一度立ち止まることは、誰にでもできる行動です。

これってどう分ければいいの?リアルな疑問に回答

実際にごみを出すときに「これはどっち?」と分別に迷う場面は少なくないでしょう。ここでは、日々のごみ出しでよくある3つの疑問にお答えします。

Q&Aのイラスト

Q1:プラスチックと紙が混ざった容器はどう分ける?

A:まずパッケージの識別マークを確認し、表示されているマークに従って分けましょう。

お菓子の箱やカップ容器など、紙とプラスチックが組み合わさった容器には、紙マークやプラマークが表示されていることがあります。紙とプラスチックが分離できない複合素材の場合は、重量比の大きい素材の識別マークを表示するルールがあるため、マークを見れば「どちらの資源として出すか」を判断できます。

フタやフィルムなど、部分ごとに素材が分かれている場合は、それぞれを分けて出しましょう。

Q2:アルミ箔や内側が銀色のパックは?

A:見た目が銀色でも金属ごみとは限らず、マーク表示に従って分別しましょう。

お菓子の袋やレトルトパウチなど、内側が銀色に見えるパッケージには、プラスチックフィルムにアルミを薄く蒸着させた素材が使われているものが多くあります。その場合はプラマークが表示されていて多くの自治体でプラごみとして分別できます。
また、常温で長期保存できる牛乳、豆乳、果汁ジュース、お酒のパックも、内側にアルミが貼り合わせられているものがあります。主原料が紙であれば「紙マーク」が付きますが、複合素材の場合、通常の雑がみと混ぜてしまうとリサイクルの妨げになります。そのため、自治体によっては燃えるごみとして区分されることが多いですが、地域によってはアルミ箔が使用された紙パックをリサイクルできる場合があるため、出す前に自治体のルールを確認してみましょう。

Q3:ペットボトルのキャップとラベルは外すべき?

A:キャップとラベルは外し、ボトル本体と分けて出すのが基本です。

ペットボトルの本体はPET素材ですが、キャップやラベルには別の種類のプラスチックが使われています。素材が異なるものが混ざったままだと、リサイクル工程での品質低下の原因になるため、外したキャップとラベルは「プラスチック製容器包装」として出すのが一般的です。

あわせて、中を軽くすすぎ、つぶしてから出すと、回収や再生の効率も上がります。

(注)各自治体の処理施設の設備によっては、つぶすことまでは啓発していない市町村があります。お住まいのエリアのルールに従っていただきますようお願いいたします。

今日から始める、日々のごみ出し習慣チェック

ごみを減らし、資源を循環させることは、誰か一人の努力だけで解決できない大きな課題です。しかし、その解決の第一歩は私たちの日常にあります。

  • まず「本当に資源にならないか」を確認する
  • 自治体のルールは、自分の目で今一度チェックする
  • パッケージの表示・マークを、判断の道しるべにする
  • 汚れやにおいがあるものは、無理せず正しく分ける

毎日のこうした小さな行動の積み重ねが、ごみの削減と資源循環につながります。

クレシアがお届けしているティッシュやトイレットペーパーなどの衛生用品も、毎日の暮らしに寄り添う身近な存在です。だからこそ、その原料となる資源をいかに大切に使い、いかに未来につないでいくのかを生活者のみなさんと一緒に考え続けていくことが、私たちの使命だと考えています。

クレシアでは、ティッシュの空き箱回収・トイレットロールの芯の回収・使用済みペーパーハンドタオルの回収などに取り組んでいます。
ごみをただ「捨てるもの」としてではなく、「次の資源につながるもの」として見直してみる。そんな視点を、今日のごみ出しから意識してみませんか。

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家庭で使われる日用品はもちろん、工場・研究室・病院など高い水準が求められる現場にも、用途や環境に合わせた品質で応えています。
これからも、衛生環境の維持と拡大に向けて、日々の「ものづくり」を丁寧に続けていきます。